【英語の発想(基礎編)】母語の与える影響を理解する – 言語転移と中間言語

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(*゚ー゚) Lin: よく英語を理解するには、頭の中で日本語に翻訳しないで、英語を英語のまま理解することが大事って言うけどさぁ、そんなこと言われたって、なかなか出来るようにならないんだけど。。。

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(=゚ω゚) Lan: まぁ確かに、いきなり頭の中を英語だけにしろって言われたってなかなか出来ることじゃないよね。

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(*゚ー゚) Lin: 日本語で考えるのをやめて頭を切り替えろって、なんだか「無」になれって言われてるみたいで、まるで禅の修業みたい(笑)。

 んなもん、簡単にできるかぁー!って感じだよ。

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(=゚ω゚) Lan: でも、英語を英語の語順のまま理解していくことは重要だよ。

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(*゚ー゚) Lin: 分かってるんだけど、それが出来ないから困ってるんだよ。

 そういうLanだって出来てないでしょ!

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(=゚ω゚) Lan: 。。。

 。。。だって無理!

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(*゚ー゚) Lin: ほらっ!

 日本語の環境で育って、日本語ですべて考えるようになってから、新しい言葉を学ぼうとしても、そう簡単には切り替えられないよね。

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(=゚ω゚) Lan: 子供のころに学ぶのとは違って、大人になってからの語学の習得は本当に大変だからね。。。

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(*゚ー゚) Lin: 帰国子女やInternatinalな環境で育ってない限りは、日本語を頭の中から完全に追い出して英語に切り替えるなんてそもそも不可能だよ。

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(=゚ω゚) Lan: 完全に切り替えることは無理なんだから、だったら、日本語の影響をきちんと理解して英語を考えていけばいいんだよ。

 それは、決して間違った発想じゃなくて、新しく言語を学ぶ過程で母国語の影響って言うのは必ず出てくるんだ。そういうのを「言語転移」っていって、それをちゃんと理解して学習を進めればいいんだよ。

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(*゚ー゚) Lin: 言語転移?

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(=゚ω゚) Lan: そう、言語転移。

 そもそも、だれでも新しい言語を学ぶ際は、母語の影響があって当たり前じゃない。たとえば日本人なら、英語を学ぶ際に、日本語の影響で日本人独特の英語の理解の仕方をしてしまうんだよ。

 これには一定の傾向があって、日本語話者なら誰でも似たような「英語のくせ」が現れてくる。

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(*゚ー゚) Lin: へぇー。

 たとえば、多くの日本人がLとRの区別がつきにくいとか?

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(=゚ω゚) Lan: そう、そういうの。

 発音だけじゃなくて、文法の理解や表現の仕方なんかにも、日本人共通の癖みたいのがあるんだよ。

 たとえば、単数、複数の区分を間違えやすいとか、冠詞がうまく使えないとか、完了進行形の文章はほとんど使われないとか。

 こういう母語の影響を「言語転移」と言って、それを基にして出来上がっている言語学習者の理解のことを「中間言語」って言うんだ。

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(*゚ー゚) Lin: 中間言語?

 でも、それが英語の学習と何か関係あるの?

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(=゚ω゚) Lan: 以前は母語の影響は単純に誤りとしてしか考えられていなかったんだよ。でも最近は、母語の影響を積極的に評価しようという考え方が一般的になってきているね。

 完全に頭の中から日本語をなくして英語に切り替えようとするんじゃなくて、日本語の影響を受けた自分の中間言語がどんな性格のものかをよく知ることのほうが、もしかしたら効率的かもしれないってことだよね。

 自分の英語にどんなくせがあってどんな傾向があるのかを理解していれば、それを直していくことも簡単になるよね。

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(*゚ー゚) Lin: じゃ、かならずしも英語で考えなきゃーって無理にあせる必要はないんだね。

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(=゚ω゚) Lan: そういうことだね。語学を学んでいくと、自分の頭の中に英語と日本語の間の「中間言語」がだんだん出来上がってくるから、むしろそれを意識して、ちゃんと理解しようと努めることのほうが効率的なのかもね。

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(*゚ー゚) Lin: なるほどー。

 Wikipediaにも解説が出てるね。Lanの説明より分かりやすいよ。

・参考

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(=゚ω゚) Lan: 。。。