Teacher Talk ってなに? – 英語を分かった気にさせる英語学習の罠

Your English is Easy to Understand?!

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(*゚ー゚) Lin: これ、スゴイ分かりやすいね!

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(=゚ω゚) Lan: ホント、すごい聞き取りやすいよね。

 なんかこれ聞いてると、自分の英語がすごく上達した気になるよ(笑)

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(*゚ー゚) Lin: ほとんど内容理解できたから、自分の英語も相当上達したのかな。

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(=゚ω゚) Lan: おいおい。何を聞いてたんだ。。。

 なんで聞き取りやすくなるのかを説明してるんじゃん。

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(*゚ー゚) Lin: あれ?ほとんど聞き取れたから、上級者じゃないの?

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(=゚ω゚) Lan: ちがうわ!

 聞き取りやすくなる理由がちゃんとあって。。。

・話題が単純
・聞き取りやすいようにはっきりと発音している
・話しているのは一人だけなので集中しやすい

 ってちゃんと説明してるじゃん!

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(*゚ー゚) Lin: 動画のお姉さん、けっこう早い口調で話してるけど、ちゃんと聞き取れてるから、上達したのかなーって。

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(=゚ω゚) Lan: まぁ少しずつ上達はしてるんだと思うけどね。

 でも、これって、Teacher Talkってやつだよね。

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(*゚ー゚) Lin: Teacher Talk?なにそれ?

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(=゚ω゚) Lan: まったく分かってない。。。じゃぁ、まずは Teacher Talk って何かってところから確認しよう。

Teacher Talk ってなに?

 Teacher Talkとは、相手の言語理解力に合わせて、分かりやすいように話し方を変えること。

 具体的には。。。

・話す速さを遅くする。
・はっきりと発音する。
・難しい構文や単語を避ける。
・長文を避けて、短く区切るようにする。

 一般の会話でも、相手がその言葉に不慣れであれば、自然とこうした話し方になるが、言語教育で、教師が意識的にこのような話し方を行うことから、Teacher Talk と呼ばれている。

 学習者にとって理解しやすいという利点がある反面、自然な会話とは異なった話し方を覚えてしまうという欠点もある。

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(*゚ー゚) Lin: なるほどねー

 確かに、英会話の先生と話してる時ってなんか自分が上達したような気になるんだよね。

 すごく上達したと思って、いざ海外旅行に行って現地の人に話しかけてみるとぜんぜん通じないんだよ。

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(=゚ω゚) Lan: (笑)。

 それ、英会話学習あるあるだよね。

 英会話の先生だけじゃなくて、日本に長く滞在しているNative Speakerも「日本人英語」に慣れちゃってるから、こっちが間違った発音していてもちゃんと理解してくれるんだよね。

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(*゚ー゚) Lin: 日本人との会話に慣れてる人って、日本人の発音のクセとかよく理解してるもんね。

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(=゚ω゚) Lan: そう。

・/s/ (s)、/ʃ/ (sh)、/θ/ (th) の発音を全然区別しない
・/l/ と /r/ の音をよく間違える
・母音の発音種類が少ない
・余計な母音の発音が多いため音節(syllable)の数が増える

 こういった日本人の間違いやすい点をよく分かってるから、こっちが多少間違えても、言いたいことをちゃんと推測してくれて、理解してくれるんだよね。

 だから、自分の発音が上達したような気になっちゃう。

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(*゚ー゚) Lin: じゃぁ、やっぱり、Teacher Talkって良くないんだね。

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(=゚ω゚) Lan: まぁ、でも全く悪いってわけでもないよ。

 言葉を勉強する時は、自分の理解力より少し上くらいの難易度で練習するのが一番効率がいいって言われてるから、自分の適切なlevelに合わせてくれたTeacher Talkで練習するのはいいことだよ。

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(*゚ー゚) Lin: いきなり一般のNative English speakerの会話聞いても、理解できないだけで、挫折して終わっちゃうしねー。

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(=゚ω゚) Lan: そう。

 Teacher Talkで、理解した気になったり、相手の理解力に甘えて、発音を疎かにしたりしてちゃダメってことね。

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(*゚ー゚) Lin: でも、さぁ、世の中の人がみんな、Teacher Talkで話してくれれば、全部解決じゃない?

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(=゚ω゚) Lan: なるほどー。。。って、すぐ英語の練習さぼろうとするな!