Come & Go – 日本語の「来る」「行く」とはちょっと違う!?
英語学習で多くの人が一度はつまずくのが、「come」と「go」の使い分けです。一見、「come=来る」「go=行く」と覚えれば簡単そうに思えますが、実は英語では話者(または聞き手)の視点が日本語と異なるため、誤用が起こりやすいので、注意が必要です。
日本語と英語の表現の違い
たとえば、次のような日本語を考えてみましょう。
今度、そっちに遊びに行くね。
この文は自分が「聞き手のいる場所へ向かう」という意味ですが、日本語では「行く」が自然に使われています。自分のいる場所を基準にして、自分が向かう(行く)という表現を使います。
しかし英語では、同じ文は次のように言います。
I’ll come visit you soon.
つまり、英語では相手の場所に向かう場合でも come を使うのです。これは、「あなたのところ(=聞き手の場所)に移動していくから come」という感覚になります。
よくある間違い例
誤り:I’ll go to your house tomorrow.
正しい表現:I’ll come to your house tomorrow.
→「あなたの家(=聞き手の場所)に行く」という場合、英語では come を使うのが自然です。
日本語では自分のいる場所が基準
日本語では、自分(話し手)のいる場所を基準にして、自分がそこから向かう(行く)、相手がこちらへ向かう(来る)という表現を使います。
来週、京都に旅行に行く予定です。
友だちと映画を観に行くつもりです。
先生が教室に来ました。
明日、私の誕生日会に来てくれる?
英語では「話し手と聞き手が共有している場所」が基準
英語の come は、「話し手」と「聞き手」が共通して想定している場所に向かうときに使います。
- I’m coming to the party.
(話し手と聞き手が同じパーティーに行く予定) - She came to my house yesterday.
(話し手の家=話し手のいる場所に来た)
逆に、「話し手や聞き手がいない場所(共有していない場所)」に向かう場合は go を使います。
- I’m going to the supermarket.
(スーパーに向かうが、そこには話し手も聞き手もいない)
まとめ
【日本語】
「話し手のいる場所(あるいは、話し手が想定している場所)を基点にして」
・行く
話し手のいる場所(想定している場所)から話し手自身(発話者)あるいは誰かが行く
・来る
話し手のいる場所(想定している場所)へ誰かが来る
【英語】
「話し手と聞き手が共通に考えている場所を基点にして」
・go
話し手と聞き手のいる場所、あるいは両者が想定している場所から離れる
・come
話し手と聞き手のいる場所、あるいは両者が想定している場所へ近づく