【映画ぴ評】Bumblebee (2018) – カマロからビートルへ代わってカワイくなったバンブルビー

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BUMBLEBEE (2018)

カマロからビートルへカワイくなったバンブルビー

“これぞ、原点回帰のトランスフォーマー!”

 『トランスフォーマー』シリーズのSpinoff作品『バンブルビー』。今回の主人公は、10代の少女チャーリー。そして相棒となるバンブルビーは、シリーズおなじみのカマロから、キュートなビートルに“変身”。思わず「カワイイ!」と言ってしまいたくなるデザインです。

 物語の舞台は、1980年代後半のカリフォルニア。シリーズ第1作の20年前にあたる時代設定で、作品としては前日譚(Prequel)の位置づけです。

 80年代の雰囲気が色濃く漂う中で、まさかの“Rickroll”オチ(笑)。アメリカのネット文化へのオマージュもたっぷりで、遊び心が効いています。あちらのNetgeekたちは、本当にこのネタが好きですよね……!

front line: 前線
hit a traffic: 交通渋滞に合う
fall back: 後退する
scattered: 散り散りになった、散在している
find refuge: 避難する
establish a base: 基地を築く

 さて、映画冒頭の戦闘シーン。ここが素晴らしい!登場するトランスフォーマーのデザインが、原作アニメに近づいているのです。これはアニメーター出身のトラヴィス・ナイト監督ならではの、原作への深いリスペクトを感じさせます。

 マイケル・ベイ監督による過去のシリーズ作では、実写映画としての新しさを打ち出すために、キャラクターデザインも大胆に刷新されていました。あれはあれでクールでしたし、当時の子供向けアニメを現代に蘇らせるという意味では大成功だったと思います。しかし、5作も続く中でマンネリ化が否めなかったのも事実。

 そこで今回、『バンブルビー』は原点に立ち返ります。80年代に原作アニメを観ていた世代の“オジサン”たちにとっては、まさに胸アツな展開だったのではないでしょうか。

 「これですよ、これ!これが、トランスフォーマーっ!!」

 そう叫びたくなるほど、冒頭の戦闘シーンだけでも観る価値ありです。

派手さは抑えられて、丁寧な描写

vehicle: 車両
take down: 取り押さえる
on one’s side: ~の味方
traitor: 裏切者、反逆者
coward: 臆病者
leave sb alone: ~を放っておく

 本作に登場するトランスフォーマーは、バンブルビーと敵役の2体、合わせて3体のみ。つまり、全編を通して非常にスッキリとした構成になっています。

 マイケル・ベイ流のド派手な演出も魅力ではありましたが、登場キャラが多すぎて、観ているうちに「誰が誰で、何がどうなってるの?」という混乱を感じることもありました。シリーズを重ねるごとに“インフレ状態”になっていた中で、今回はまさに“引き締め政策”とでも言うべき、丁寧な描写が光ります。

 バンブルビーと敵の1対1バトルをじっくり見せる構成は、キャラの少なさを感じさせないほどの迫力。しっかり見せ場があり、戦闘描写にも手抜きは一切ありません。

 さらに、登場人物を絞ったことで、人間ドラマの描写も充実しています。
 チャーリーの成長物語、バンブルビーとの絆、淡い恋愛要素、学園ドラマ的な要素──戦闘以外の物語(drama)も丁寧に描かれており、総合的な満足感は非常に高いです。

 個人的には、『トランスフォーマー』シリーズの中で最も完成度が高く、面白い作品だと思います。心からおすすめできる一本です!

映画で学ぶ英会話

 英語学習者の方には、セリフを聞き取って実際の英会話に活かしてみるのもいいかもしれません。

They broke the front line!!
You must establish a base camp!!
Why aren’t you fighting back?
You’re a traitor!!
Attack!!!!

 ……まぁ、こんなん、使う機会ないか……

バンブルビー(字幕版)

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